(C) 1996-2007 Dr.Jones
簡便な部分転作面積計測手法の開発研究
農林水産高度化事業「リモセン活用現地確認作業簡略化」の一部として実施(2002〜2004)
水稲の生産調整において,申請通りの作付が行われているかどうかの確認作業が市町村などによって行われています。確認作業では,申請されている通りの作付であるか(作物が植えられているか)?また,その面積も申請通りか?などの点が確認されます。
一般にこの確認作業は,生産調整(転作)作物に応じて,年に2,3回行われるようですが,「水稲の生育盛期である6月下旬〜7月上旬にかけての確認作業は,梅雨時の高温 多湿時期に当たり,また,短期間に多くの圃場を確認して回らないといけないことから,なんとか省力化できないか?」という要望がありました。
さらに,これまでは地元の地理(圃場の位置関係,所有者なども含めて)に詳しい集落代表などの応援も得ながら確認していたケースも多く見られましたが,高齢化の進展とともに,作業の受委託や耕作放棄が進み,確認作業が困難な状況も出ています。
このような状況に対応するべく,地理に不案内な人でも,GPSを使って地図上で現在位置を照合しながら,圃場作付状況の確認ができるシステムを開発しました。
そのシステムを補佐するものとして,その作付確認時に,できるだけ簡便で省力的に,作付面積を確認できる計測手法を検討しています。
現状では,巻き尺や歩測といった手法が行われていますが,これに替わる手法として,レーザ距離計を用いた面積測量や,デジタルカメラを用いた写真測量による面積計測法を,水稲や大豆,野菜などが植わっている圃場に適用しました。

[ 現場面積測定法の省力化 ]
写真測量は,下図のように,2方向から撮影した2枚の写真をステレオマッチングすることで3次元化するとともに,写真内に基準線(面)を与え,それと比較することで,距離や面積を求めます。撮影自体は市販のディジタルカメラで非常に簡単にできますが,距離や面積を求めるには,比較的高額の専用ソフトウェアを利用します。
下図は,同じような方向から撮影しているので良い事例ではありませんが,精度良く距離や面積を求めるには,かなりのコツと慣れが必要です。一つの面積を求めるにも結構な時間がかかります。遡って,撮影自体も精度を出しやすいように撮影する必要があります。なるべく異なる角度から,45〜60°程度が良いようです。
しかし,いずれにしても,人の背丈程度の高さから圃場を撮影する場合がほとんどと考えると,どうしても精度が悪くなります。低い位置(わずかな見下ろし角度)から撮影していることになりますので,特に奥行き方向について,実際の距離に対する有効画素数が少なくなりやすく,1ピクセル当たりの誤差が大きくなりやすいからです。まして,水稲や大豆が茂っている状態では,明確な端点(2枚の写真の対応点)を見いだすことも困難です。
レーザ測量も,距離測定をベースとして面積を求めますので,たった1回の計測で面積が求められるというわけにはいきません。また,反射体までの距離を計測しますが,圃場にそうそう都合の良い反射体があるわけでもありません。水稲や大豆などが群落として繁茂しているような状態ですと,その群落側面を利用して計測する場合は精度良く測定できます。しかし,現実問題,それが求めたい距離である場合は少ないと思われます。
このような検討調査結果を踏まえて,精度良く距離を測定し,面積を求めるためには,レーザ距離計用の反射板を利用することを前提として,二人一組で計測を行うのがもっとも現実的と判断しました。そうすると,使用する機材も5万円程度の機種で十分使用可能です。
以上のことを踏まえ,導入機材コストと現場適用性・取り扱い性など総合的に判断して,反射板を利用した二人一組によるレーザ測量が,部分転作を含む任意の圃場面積測定に適していると判断しました。
[ 面積測定法の比較 ]

通信機能を備えたレーザ距離計は若干高価ですが,計測と同時にデータをコンピュータに送信できるので,それを利用した簡便でその場で面積が分かる測定システムを作成しました。
通信機能を備えたレーザ距離計とPDAを接続し,PDAの面積計測ソフトを新たに作成したものです。

[ 面積簡易計測システム(PDA単独版のエミュレータイメージ) ]


[ 圃場作付状況確認システムとの連携・・・面積測定ボタン押下で実行 ]

[ 圃場作付状況確認システムと連携した面積簡易計測画面 ]
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近畿中国四国農業研究センター
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生産支援システム研究近中四サブチーム
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(更新:2007/03/26)
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