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文化系統学への招待

—— 文化の進化パターンを探る ——

中尾央・三中信宏(編著)

2012年5月25日第一刷刊行
2012年10月10日第二刷刊行

勁草書房, 東京, x+213+xi pp.
本体価格3,200円(税込価格3,360円)
ISBN:978-4-326-10216-7

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文化系統学・文化進化研究の現在/『文化系統学への招待』合評会*new*
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【目次】

はじめに —— 分野を越境する方法論(中尾央) i

第1章:文化の過去を復元すること:文化進化のパターンとプロセス(中尾央) 1

  生物・文化・進化 2
  進化のパターンとプロセス 3
  文化進化を研究すること 6
  文化進化のパターンとプロセス 10
  文化の過去と系統学/系統樹思考 —— 本書の構成 12
  文化の過去を復元すること 13
  注 14

第2章:「百鬼夜行絵巻」写本の系統(山田奨治) 17

  「百鬼夜行絵巻」をめぐる謎 18
  絵巻の系統推定モデル 21
  対象にした「百鬼夜行絵巻」 22
  真珠庵本系統の復元 24
  (真珠庵本+日文研本)系統の復元 28
  「百鬼夜行絵巻」からみる文化の系統 30
  文化進化学と文化学の接点 33
  謝辞 34
  図版出典 34
  注 34

第3章:『老葉』に対する系統学的アプローチ:宗祇による連歌の系譜(矢野環) 35

  導入 —— 混態という困難に挑む 36
  文献学と系統学の関係とその歴史 37
  日本の近代文献学、数理文献学 39
  土左日記 40
  君台観左右帳記 41
  池坊専応口伝 43
  利休百会記 45
  内裏名所百首 47
  宗祇の『老葉』 50
  写本の系統学 58
  注 61

第4章:系統比較法による仮説検定:社会・政治進化のパターンとプロセス(Thomas E. Currie/中尾央訳) 65

  文化間比較のための系統樹 68
  PCMとはどのようなものか 69
  複雑な政治組織の進化 70
  オーストロネシア語社会 71
  進化の系列 73
  祖先状態 75
  共進化と変化率 76
  文化系統学 —— 今後の展望 79
  注 81
  [参考]英語原文 → pdf(版元ページ)

第5章:19世紀擬洋風建築と G. クブラーの系統年代について(中谷礼仁) 85

  はじめに —— 擬洋風建築について 86
  系統年代“Systematic Age”という指標 —— G. クブラー『時のかたち』をめぐって 87
  「擬」の本質 90
  擬洋風のプライム・オブジェクトとシークエンス 91
  擬洋風建築のシークエンスにおける二次媒体の役割 95
  唐破風,ベランダはどこからきたか? —— 擬洋風建築を構成する各系統年代 99
  塔はどこからきたか? 101
  多角形表現はどこからきたか? 103
   ・ひながた書にみられる19世紀的折衷性 103
   ・幾何学という普遍 105
  擬洋風における多角形塔屋の意味 —— 中込学校を事例として 107
  『時のかたち』に掲載された唯一の図版についての見解 111
  注 115

第6章:文化の継承メカニズム:学ぶことと教えること(板倉昭二・中尾央) 119

  比較認知発達科学の視点 120
  学ぶこと/学習 —— さまざまな模倣 121
  意図への敏感さ —— ロボットからの学習? 123
  動物における模倣 126
  誰から学ぶのか 127
  学ぶことの比較認知発達 128
  教えること/教育と文化の継承 129
  教えることの発達 —— 心の理論との関係 130
  動物社会における教育 —— 教えることの進化 131
  ナチュラル・ペダゴジーとはなにか 134
  ナチュラル・ペダゴジーの留意点 136
  教えること/教育と文化系統 138
  結び 139
  注 140

第7章:イメージの系統樹:アビ・ヴァールブルクのイコノロジー(田中純) 145

  はじめに —— 美術誌からイメージの系譜学へ 146
  ヴァールブルク研究のアクチュアリティ 148
  「情念定型」とニンフ研究 149
  図像アトラス「ムネモシュネ」 151
  「ムネモシュネ」パネルAの関係ネットワーク 153
  言葉・イメージ・情念 156
  象徴的イメージをめぐる歴史心理学として 160
  イメージの狩りにおけるアブダクション 165
  おわりに —— 接ぎ木された系統樹 167
  注 168

第8章:文化系統学と系統樹思考:存在から生成を導くために(三中信宏) 171

  はじめに —— 存在の様相としてのパターン,生成の過程としてのプロセス 172
  進化オブジェクトの制約を越えて 174
  収斂するパターン分析の方法論(1):生物体系学 176
  収斂するパターン分析の方法論(2):写本系譜学 178
  存在パターンと生成プロセスとの関係の公理化 182
  生物体系学と写本系譜学における公理化の例 186
  分岐図と系統樹:数学としてのパターン分析 189
  おわりに —— オブジェクトに依存しないパターンとプロセスの解析 191
  注 193
  [BOX]パターン構造の代数的体系 183

おわりに —— 系統樹思考の裾野の広がり(三中信宏) 201

  どんなデータを用いて系統推定するか 202
  ツリーか,ネットワークか 203
  系統推定の方法論をどうするか 205
  複数の系統樹を束ねるには 206
  系統樹を踏まえてさらなる考察を進める 207
  注 210

文化系統学曼荼羅[三中信宏・作/宗像宏・デザイン] [213-212]

 事項索引 [vi-ix]
 人名索引 [iii-v]
 執筆者略歴 [i-ii]

【口上】

文理の壁を乗り越えて、文化における系譜の役割に光を当てる。手にする武器は系統学。対象は生命から文化へ。日本初の論集! 過去の歴史を推定する系統学の方法論を、生物だけでなく広く一般的に文化構築物の時空的変化にも適用できないか? 学問の壁を超え、系譜の復元に着目して文化進化をめぐる問題群を統一的に解決しようとする文化系統学は何をもたらすのか。言語や写本、建築様式や美術図像、さらには人間社会の政治体制まで、具体的な実例を満載した1冊。


Last Modified: 18 July 2013 MINAKA Nobuhiro