『分類思考の世界』コンパニオンサイト


私的ガイド付き文献リスト(現世で迷わないために)



本書をまとめるにあたって,私が参照したり引用した書籍や論文は少なくない.ほとんどの新書にはない文献リストを付けたのは,「分類思考」の裾野を見渡すためにはどれくらいの射程が必要であるかを読者に実感してもらうためである.けれども,これらの文献もまた分類すべきオブジェクトである.研究者にとって自分の専門分野に関係する文献は日々の糧である.にもかかわらず,それらの文献を分類することは実はたやすいことではない.本書は曲がりなりにも「分類」の本なのだから,読者はきっと目が覚めるような「名答」を著者に期待するかもしれない.しかし,私とてごくふつうの分類者としてのヒトなのだから,分類の迷宮に悩まないことはけっしてない.

ここでは,まったく別の視点から,この文献リストは,ひとまとまりの「全体」として,ある仮想的な一冊の大きな本あるいはヴァーチャル図書館をかたちづくっているとみなしていただきたい.つまり,「分類思考」に関係する古今東西の文献を蒐集した結果としてのこの文献リストは,「ひとつのもの」であるというメレオロジー的な視点の提案である.このとき,それぞれの書籍や論文は,その仮想本(あるいはヴァーチャル図書館)を構成する「部分」とみなすことができるだろう.

以下の文献リストは,「全体」としてはアルファベット順に「部分」を配列している.私は,個々の「部分」について,以下のような「タグ」ならびに「注釈」を貼り付けることで読者の便宜をはかることにした.

「タグ」の一覧表:

  • 【学史】体系学(系統学・分類学)の歴史
  • 【存在】存在論(実在論・唯名論)に関係する形而上学
  • 【生哲】体系学に関わる生物学哲学
  • 【修辞】分類と系統をめぐる修辞学
  • 【図像】分類と系統に関わる図像史
  • 【論理】集合論とメレオロジーに関する公理化
  • 【DAR】ダーウィンによる「種」問題への取り組み
  • 【認知】分類と「種」をめぐる認知心理と民俗分類
  • 【種乱】「種」をめぐる生物学・哲学の論争
  • 【本質】「種」をめぐる本質主義論争
  • 【シス】システム論的「種」概念
  • 【個物】「種」個物説に関する論議

これらのタグ(と注釈)は必ずしもすべての文献に網羅的に付けられているわけではないし,複数のタグをもつ文献もあることに注意されたい.前著『系統樹思考の世界』で注釈した文献もある.特定のタグを共有する文献の集まりは,分類と「種」に関するある側面もしくは過去の記憶あるいはコード(暗号)を再構成するだろう.その意味で私なりの「記憶術」(ロッシ 1984, イエイツ 1993)のひとつであるとみなしてもらってもいい.

ジョルジュ・ペレックは,その著書『考える/分類する』(2000年,法政大学出版局)の中で,「私は分類する前に考えるのか,考える前に分類するのか」(p. 119)と自省的に問いかけている.賢明なる読者は,この文献リストでの私の分類の試みを通じて,「分類の迷い」を追体験していただきたい.願わくばそれが「分類の血迷い」でないことを.

注記:本リストは現在進行形で増補改訂されている.関心のある読者は,本書のコンパニオンサイト(http://cse.naro.affrc.go.jp/minaka/files/SpeciesRIP.html)ならびに連載時のコンパニオンサイト(http://cse.naro.affrc.go.jp/minaka/files/hon.html)も参照されたい.



文献リスト
  • Jair Minoro Abe and Nelson Papavero (1992), Teoria intuitiva dos conjuntos. Makron Books, São Paulo.【論理】※集合論の教科書だが,生物分類体系における分類群の関係を実例として用いているめずらしい本.本書の公刊後,著者らは論理数学に基づく生物分類学の公理化に着手する.2008年に完結した Principia Taxonomica はその最終成果である.
  • Louis Agassiz (1857 [1962]), Essay on Classification. Harvard University Press, Cambridge [Reprint: Dover Publications (2004)] .【学史】【存在】※チャールズ・ダーウィンが蛇蝎のごとく忌み嫌った反進化論者アガシーだったが,彼の『分類論』はかつての分類学者にとって「自然の体系」とは何だったかを知る名著だ.
  • Heinrich Cornelius Agrippa (1531-33), De occulta philosophia.
  • Scott Atran (1987a), Origins of the species and genus concepts: an anthropological perspective. Journal of the History of Biology, 20: 195-279.【認知】
  • Scott Atran (1987b), The early history of the species concept: an anthropological reading. Pp.1-36 in: Histoire du concept d'espèce dans les sciences de la vie. Editions de la Fondation Singer-Polignac, Paris.【認知】
  • Scott Atran (1990), Cognitive Foundations of Natural History : Towards an Anthropology of Science. Cambridge University Press, Cambridge.【認知】【学史】
  • Scott Atran (1998), Folk biology and the anthropology of science: cognitive universals and cultural particulars. [With peer comments] The Behavioral and Brain Sciences, 21: 547-609.【認知】※スコット・アトランの著書や論文を現在の分類学者はもう一度復習しようね.「種」をはじめとする分類カテゴリーの認識人類学的ルーツがよくわかるから.
  • Giulio Barsanti (1992), La scala, la mappa, l'albero: immagini e classificazioni della natura fra Sei e Ottocento. Sansoni Editore, Firenze.【図像】【学史】※万物を体系化しようとしたわれわれがどのような「視覚化」の大技小技を用いてきたかを論じた本,私にとってさまざまな意味での「タネ本」でまさに座右の書.
  • John Beatty (1985), Speaking on species: Darwin's Strategy. Pp. 265-281 in: David Kohn (ed.), The Darwinian Heritage. Princeton University Press, Princeton.【種乱】【DAR】※ダーウィンがどのような戦術で「種」と闘ったかを論じている.
  • Brent Berlin (1992), Ethnobiological Classification: Principles of Categorization of Plants and Animals in Traditional Societies. Princeton University Press, Princeton.【認知】
  • Brent Berlin, Dennis E. Breedlove, and Peter H. Raven (1966), Folk taxonomies and biological classification. Science, 154: 273-275.【認知】
  • Brent Berlin and Paul Kay (1969), Basic Color Terms: Their Universality and Evolution. University of California Press, Berkeley.【認知】※ブレント・バーリンら初期の認識人類学者たちは「科学的」分類学の背後に潜む認知心理的な基層を明らかにした.その対象は「色」から「生き物」まで広範に及ぶ.
  • Richard E. Blackwelder (1962), Animal taxonomy and the New Systematics. Survey of Biological Progress, 4: 1-57.【学史】※1940年代以降エルンスト・マイアーらが標榜した「新しい体系学(The New Systematics)」に真っ正面から反旗を翻した甲虫学者リチャード・ブラックウェルダー.昆虫分類学者たちが個別にエキセントリックかどうかは別にして,彼の持論に心の中で同意する向きは今でも少なくないのではと私は推測している.
  • Marc Bloch (1997), Apologie pour l'histoire ou métier d'historien. Armand Colin Editeur, Paris.[マルク・ブロック(松村剛訳)『新版・歴史のための弁明:歴史家の仕事』(2004),岩波書店,東京]
  • Mary Bouquet (1996), Family trees and their affinities: the visual imperative of the genealogical diagram. Journal of the Royal Anthropological Institute (N. S.), 2: 43-66.【図像】※西洋社会史における「家系図」の起源を論じるだけでなく,千年以上に及ぶ家系図の「図形言語」が言語や生物の「系統樹」のルーツであると言う.拍手また拍手.
  • Frederick Burkhardt (ed.) (1985-2009+), The Correspondence of Charles Darwin, Volumes 1-17+. Cambridge University Press, Cambridge.【DAR】
  • Arthur J. Cain (1958), Logic and memory in Linnaeaus's system of taxonomy. Proceedings of the Linnean Society of London, 169: 144-163.【学史】
  • Scott Camazine, Jean-Louis Deneubourg, Nigel R. Franks, James Sneyd, Guy Theraulaz, and Eric Bonabeau (2001), Self-Organization in Biological Systems. Princeton University Press, Princeton.[スコット・カマジン他(松本忠夫・三中信宏訳)『生物にとって自己組織化とは何か:群れ形成のメカニズム』(2009),海游舎,東京]
  • 千葉県立中央博物館(編)(2008)『リンネと博物学:自然誌科学の源流(増補改訂)』,文一総合出版,東京.【学史】※リンネ生誕300年を記念する出版物.
  • Noam Chomsky (1980), Rules and Representations. Basil Blackwell, London.
  • The Complete Work of Charles Darwin Online(http://darwin-online.org.uk/)【DAR】※ダーウィンを読むのに図書館のほこりっぽい書庫を探しまわる必要はもうなくなったのです(言い過ぎか……).
  • Charles R. Darwin (1839), Journal of Researches into the Geology and Natural History of the Various Countries Visited by H. M. S. Beagle. Henry Colburn,London.【DAR】
  • Charles R. Darwin (1859), On the Origin of Species by Means of Natural Selection, or the Preservation of Favoured Races in the Struggle for Life. John Murray,London.【DAR】
  • Charles R. Darwin (1871), The Descent of Man, and Selection in Relation to Sex, Volume 1. John Murray, London. [チャールズ・ダーウィン(長谷川眞理子訳) (1999). 『人間の進化と性淘汰 I 』, 文一総合出版,東京.]【DAR】
  • Henri Daudin (1926a), De Linné à Jussieu : méthodes de la classification et idée de série en botanique et en zoologique (1740-1790). Férix Alcan, Paris. [Reprint (1983): Editions des archives contemporaines, Paris]【学史】
  • Henri Daudin (1926b), Cuvier et Lamarck: les classes zoologiques et l'idée de série animale (1790-1830). Two volumes, Férix Alcan, Paris. [Reprint (1983): Editions des archives contemporaines, Paris]【学史】※アンリ・ドーダンによる生物分類学の通史.リンネからラマルクまでの約一世紀を論じている.
  • Richard Dawkins (1976), The Selfish Gene. Oxford University Press, New York[リチャード・ドーキンス著(日高敏隆・岸由ニ・羽田節子訳)(1980).『生物=生存機械論:利己主義と利他主義の生物学』,紀伊國屋書店,東京]
  • Midas Dekkers (1997), De vergankelijkheid, Uitgeverij Contact, Amsterdam.
  • Kevin de Queiroz (1988), Systematics and the Darwinian revolution. Philosophy of Science, 55: 238-259.【シス】※体系学の中でダーウィン革命を完遂するためには,静的な「分類」ではなく進化する「システム」を解明しなければならないと激を飛ばした論文.グラハム・グリフィスの賛同者のひとり.
  • Jared M. Diamond (1966), Zoological classification system of a primitive people. Science, 151: 1102-1104.【認知】
  • Mario A. Di Gregorio (2005), From Here to Eternity : Ernst Haeckel and Scientific Faith. Vandenhoeck & Ruprecht, Göttingen.【学史】
  • John Dupré (1993), The Disorder of Things: Metaphysical Foundations of the Disunity of Science. Harvard University Press, Cambridge.【存在】【種乱】
  • Claude Dupuis (1978), Permanence et actualité de la systématique: la "Systématique phylogénétique" de W. Hennig (Historique, discussion, choix de références). Cahiers des Naturalistes (Bull. Natur. Paris.), N.S., 34: 1-69.【学史】※この論文を手にしなければ私はこういう体系学の世界に足を踏み入れなかったにちがいない…….
  • ウンベルト・エーコ(和田忠彦監訳|柱本元彦・橋本勝雄・中山エツコ・土肥秀行訳) (2003), 『カントとカモノハシ(上・下)』, 岩波書店,東京【存在】
  • Niles Eldredge and Stephen Jay Gould (1972), Punctuated equilibria: An alternative to phyletic gradualism. Pp. 82-115 in: Thomas J. M. Schopf (ed.), Models in Paleobiology. Freeman, Cooper & Company, San Francisco.【生哲】※この論文に初めて出会ったのは学部を出て大学院の修士に入ってすぐの春のことだった.N. R. ハンソンの理論負荷性や P. K. ファイアアーベンドのアナーキズムなど当時の最先端の科学哲学で理論武装されたこの論文の難解さに途方に暮れたことを今でも記憶している.私はこのときから科学哲学が科学者にとっての「武器」であることをはっきり認識した.
  • フリードリヒ・エンゲルス(菅原仰・寺沢恒信訳) (1953-1954) 『自然弁証法』,大月書店,東京.
  • Marc Ereshefsky (ed.) (1992), The Units of Evolution : Essays on the Nature of Species. The MIT Press, Cambridge.【種乱】※現代の「種問題」の論議に影響を与えた古典的論文を集めた論文集.
  • Marc Ereshefsky (2001), The Poverty of the Linnaean Hierarchy : A Philosophical Study of Biological Taxonomy. Cambridge University Press, Cambridge .【学史】【生哲】※リンネ分類体系はもはや将来性がないと論じている.
  • Paula Findlen (1994), Possessing Nature: Museums, Collecting, and Scientific Culture in Early Modern Italy. University of California Press, Berkeley. [ポーラ・フィンドレン(伊藤博明・石井朗訳)(2005),自然の占有:ミュージアム,蒐集,そして初期近代イタリアの科学文化. ありな書房,東京]【学史】※博物館の史的成立過程をたどることにより人間の蒐集慾がどのように満たされていったかが明らかにされる.
  • Richard Broke Freeman (1977), The Works of Charles Darwin: An Annotated Bibliographical Handlist, Second Edition. Dawson, Folkestone.【DAR】
  • Susan A. Gelman (2003), The Essential Child : Origins of Essentialism in Everyday Thought. Oxford University Press, New York.【認知】【本質】※そうなんです.私たちは子どものころから誰もが「本質主義者」だったんです.おとなになっても三つ子の魂はそうそう変わらないということ.生物進化が一般社会になかなか浸透しないとしたら,その原因は案外こういうところにあるのかもしれないと私は納得してしまった.
  • Michael T. Ghiselin (1969), The Triumph of the Darwinian Method. University of California Press, Berkeley.【個物】【本質】【DAR】【生哲】※「生物学哲学」という言葉がまだ普及していなかった時代に,すでに十二分に生物学哲学をしてしまった古典.ダーウィンの進化学の方法論をカール・ポパーの科学哲学とギゼリン流「種個物説」の観点から論じている.
  • Michael T. Ghiselin (1974), A radical solution to the species problem. Systematic Zoology, 23: 536-544.【個物】【種乱】
  • Michael T. Ghiselin (1981), Categories, life, and thinking. [With peer comments] The Behavioral and Brain Sciences, 4: 269-313.【個物】【種乱】【存在】
  • Michael T. Ghiselin (1997), Metaphysics and the Origin of Species. State University of New York Press, Albany.【個物】【種乱】【存在】【生哲】※「マイケル・ギゼリン」といえば延髄反射で「種個物説」と答えてしまうほど,およそ40年間に及ぶ彼の布教活動は精力的だった.「種」は個物であるという説を擁護するために新しい形而上学そのものをつくってしまったのだから.
  • Carlo Ginzburg (1986) Miti, emblemi, spie: morfologia e storia. Giulio Einaudi editore, Torino.[カルロ・ギンズブルグ(竹山博英訳)『神話・寓意・徴候』(1988),せりか書房)【存在】【修辞】※修辞法としての「メトニミー」が推論様式としての「アブダクション」と結びつくことを私は本書で初めて理解できた.両者とも部分から全体を造り上げるという点で共通するものがあるということだ.
  • Carlo Ginzburg (2004), Family resemblances and family trees: two cognitive metaphors. Critical Inquiry, 30: 537-556【存在】【修辞】※ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインが提唱した家族的類似性と伝統的な家系図に着目し,分類と系統という対立するふたつの認知様式がどのように用いられてきたかを論じている.
  • Nelson Goodman (1972), Seven strictures on similarity. Reprinted: Mary Douglas and David L. Hull (eds.) (1992), How Classification Works: Nelson Goodman among the Social Sciences. Edinburgh University Press, Edinburgh, pp. 13-23.【存在】※生物分類学の世界で数量表形学(numerical phenetics)が大流行していたのと時代を同じくして,「類似度万歳」のシュプレヒコールを一瞬にして沈黙させるこの論文が出ていたとは生物学者の誰もが気づかなかった.
  • Stephen Jay Gould (1983), Hen's Teeth and Horse's Toes: Further Reflections in Natural History. W. W. Norton, New York.[スティーヴン・ジェイ・グールド(渡辺政隆・三中信宏訳)『ニワトリの歯:進化論の新地平(上・下)』 (1988), 早川書房]
  • Stephen Jay Gould and R. W. Purcell (2000), Crossing Over : Where Art and Science Meet. 2000年刊行,ThreeRivers Press,New York.
  • Walter Wilson Greg (1927), The Calculus of Variants: An Essay on Textual Criticism. Clarendon Press, Oxford.【存在】【論理】※比較文献学における写本系図の構造を論理数学の観点から公理化しようとした研究.同年にドイツでは写本系統推定の古典:Paul Maas (1927), Textkritik(B. G. Tebner, Leipzig)が出版されている.まったく同じオブジェクトを扱っているのに,体系化の基本姿勢がまったく異なるのは興味深い.
  • John R. Gregg (1954), The Language of Taxonomy : An Application of Symbolic Logic to the Study of Classificatory Systems. Columbia University Press, New York.【論理】※ウッジャーの公理論的生物学にしたがい,生物分類学を集合論の観点から形式化した研究.私が大学院の博士課程に在籍していたころに大きな影響を受けた.書物との出会いは一期一会だ.
  • John R. Gregg (1967). Finite Linnaean structures. Bulletin of Mathematical Biophysics, 29:191-206.【論理】
  • G. C. D. Griffiths (1973), Some fundamental problems in biological classification. Systematic Zoology, 22: 338-343.【シス】
  • G. C. D. Griffiths (1974), On the foundations of biological systematics. Acta Biotheoretica, 23: 85-131.【シス】
  • G. C. D. Griffiths (1976), The future of Linnaean nomenclature. Systematic Zoology, 25: 168-173.【シス】※グラハム・グリフィスの基本スタンスは,分類(classification)と体系化(systematization)とは根本的に異なるとみなす.類似度に基づく分類はオブジェクトの集合(クラス)を形成するだけである.一方,系統学的近縁性に基づく体系化は体系(システム)の構築を目標とする.「種」をはじめ分類群は「システム」として個体的にふるまうというグリフィスの主張は後に賛同者を得ることになった.その一方で,彼は「システム論的種概念」を提唱した Rolf Löther の研究を英語圏に紹介している.
  • 八馬高明 (1987),『理論分類学の曙』,武田書店,東京.
  • Ernst Haeckel (1866), Generelle Morphologie der Organismen, Zwei Bände. Georg Reimer, Berlin.【学史】
  • Ernst Haeckel (1868), Natürliche Schöpfungsgeschichte. Georg Reimer, Berlin.【学史】
  • Ernst Haeckel (1868), Anthropogenie oder Entwickelungsgeschichte des Menschen. Verlag von Wilhelm Engelmann, Leipzig.【学史】
  • Ernst Haeckel (1899-1904), Kunstformen der Natur. Reprint (1998): Prestel Verlag, München →電子版(http://caliban.mpiz-koeln.mpg.de/~stueber/haeckel/kunstformen/natur.html).[エルンスト・ヘッケル(小畠郁生監修|戸田裕之訳)『生物の驚異的な形』(2009),河出書房新社]【図像】
  • Jürgen Haffer (2007), Ornithology, Evolution, and Philosophy : The Life and Science of Ernst Mayr 1904-2005. Springer-Verlag, Berlin.【種乱】【学史】※エルンスト・マイアーの初めての伝記.
  • Bunzô Hayata (1931), Über das “dynamische System” der Pflanzen. Berichte der Deutschen Botanischen Gesellschaft, 49: 328-348.【図像】※早田文蔵の「動的分類学」とは,多次元形質空間(およびその射影空間)でのパターン認識であるという要約が現在ではおそらくもっともわかりやすい解釈だろうと私は信じている.
  • Willi Hennig (1982), Phylogenetische Systematik. Verlag Paul Parey, Berlin.
  • Willi Hennig (1984), Aufgaben und Probleme stammesgeschichtlicher Forschung. Verlag Paul Parey, Berlin.※ウィリ・ヘニックの「種」概念はとても興味深いものがある.システム論的でもあり,種個物説にも近いし,地理的次元も含めようとしている.
  • Jody Hey (2001), Genes, Categories, and Species: The Evolutionary and Cognitive Causes of the Species Problem. Oxford University Press, New York.【認知】【種乱】※生物学者にして「種問題」を認知心理的な側面も含めて論じたのは画期的だった.この本はとにかく読むしかない.
  • Christine Hine (2008), Systematics as Cyberscience: Computers, Change, and Continuity in Science. The MIT Press, Massachusetts.【学史】※現代の生物体系学は情報通信技術を駆使した「サイバーサイエンス」に変身しつつあると著者は言う.サイバータクソノミー!
  • Thomas Hobbes (1651), Leviathan.[水田洋訳『リヴァイアサン(1)』,岩波書店,東京]
  • David L. Hull (1964), The effects of essentialism on taxonomy - Two thousand years of stasis (I). The British Journal for the Philosophy of Science, 15: 314-326.【本質】【学史】
  • David L. Hull (1965), The effects of essentialism on taxonomy - Two thousand years of stasis (II). The British Journal for the Philosophy of Science, 16: 1-18.【本質】【学史】※ディヴィッド・ハルの「本質主義物語」はすでに古典になっている.「本質主義」を造語したポパーとか,本質主義が大嫌いなマイアーという「ビッグネーム」たちも登場.
  • David L. Hull (1976), Are species really individuals? Systematic Zoology, 25: 174-191.【個物】【種乱】※ギゼリンが「種個物説」を喧伝しはじめたころ,生物学哲学の世界でも「種は個物かそれともクラスか」という大論争が闘わされた.いまでも決着がつけられていないところをみると,定番の論戦テーマになりつつあるのだろう.
  • David L. Hull (1988), Science as a Process: An Evolutionary Account of the Social and Conceptual Development of Science. The University of Chicago Press, Chicago.【生哲】【種乱】
  • David L. Hull (1992), Biological species: an inductivist's nightmare. Pp.42-68 in: Mary Douglas and David Hull (eds.), How Classification Works: Nelson Goodman among the Social Sciences. Edinburgh University Press, Edinburgh. 【個物】【種乱】※ヒトの生得的認知性向がどうであれ,進化生物学的に「訓導」すればちゃんと「矯正」できるはずだから心配するなと言い切った論文.「科学者は概念的帝国主義者だ」(p. 65)と書かれていて,血圧がちょっと上がるかもしれない.
  • 池内紀 (2003), 『二列目の人生:隠れた異才たち』,晶文社,東京.
  • 井上円了(東洋大学井上円了記念学術センター編)(1999〜2001), 『井上円了・妖怪学全集(全6巻)』, 柏書房,東京.※現在では「妖怪バッシング」の旗頭のように言われる円了センセイだか,私が読んだかぎり健全なるサイエンティストの精神があふれる闘士のイメージしか湧いてこない.
  • 石川雅之 (2006)『もやしもん(4)』講談社,東京.※分類者にクレームをつける愛すべきオブジェクトたちがいたっていいじゃないか.
  • Jens Peter Jacobsen (1927), En Cactus springer ud. In: Samlede Værker, Tredje Bind. Gyldendalske Boghandel, Kjøbenhavn.[イェンス・ペーター・ヤコブセン(鷺澤伸介訳)『サボテンの花ひらく』(2008),http://homepage2.nifty.com/blaalig/cactus.html]
  • Kurt Johnson and Steve Coates (1999), Nabokov's Blues: The Scientific Odyssey of a Literary Genius. Zoland Books, Cambridge.※ウラジーミル・ナボコフの昆虫学者としての実像を現代の生物分類学の観点から追究した研究.
  • 金子國義 (1992), 銅版画集『メトニミー』,アスタルテ書房,京都.【修辞】
  • 金子みすゞ (1984), 『新装版・金子みすゞ全集(全3巻)』,JULA出版局,東京.
  • Randal Keynes (2001), Annie's Box: Charles Darwin, his Daughter and Human Evolution. Fourth Estate, London[ランドル・ケインズ(渡辺政隆・松下展子訳)『ダーウィンと家族の絆:長女アニーとその早すぎる死が進化論を生んだ』(2003),白日社].【DAR】
  • 木村陽二郎 (1987),『生物学史論集』,八坂書房,東京.【学史】※植物分類学史に特化した論集.とくに,日本の植物分類研究の系譜が詳しくたどれる.著者は早田文蔵の最晩年の弟子の一人だったので,彼および彼を取り巻く当時の学界の雰囲気が垣間見える.[7 September 2009]
  • Christiane Klapisch-Zuber (2000), L'ombre des ancêtres : essai sur l'imaginaire médiéval de la parenté. Librairie Arthème Fayard, Paris.【図像】【学史】※本書もまた一期一会の出会いで,家系図史という研究分野を知ることができたのは幸運だった.聖書に書かれている「エッサイの樹」のイメージをそのまま視覚化した家系図が9世紀の昔から描かれていた.血縁関係を視覚化するこのツールがどのように変遷してきたかを詳細に論じたのが本書だ.
  • Christiane Klapisch-Zuber (2003), L'arbre des familles. Éditions de la Martinière, Paris.【図像】※上掲書のカラー図版集.少なくとも今のヨーロッパでは,日本よりもはるかに高い関心が家系図に向けられているようだ.
  • David Knight (1981), Ordering the World: A History of Classifying Man. Burnett Books, London.【図像】【学史】※万物を分類し続けるヒトは,同時に自らをもその中に分類している,という無限のウロボロス.
  • Hilary Kornblith (1993), Inductive Inference and Its Natural Ground : An Essay in Naturalistic Epistemology. The MIT Press, Massachusetts.【認知】※「心理的本質主義」がわれわれヒトの世界観をいかにつくりあげているかを論じている.後に出てくるジョージ・レイコフの大著と相通じる.
  • Kathrin Koslicki (2008), The Structure of Objects. Oxford University Press, Oxford.【存在】※メレオロジーに関する最新の研究書のひとつとして.
  • ウェルナー・クリーゲスコルテ (2001),『ジュゼッペ・アルチンボルド』,タッシェン・ジャパン,東京.
  • 旧約聖書[関根清三訳] (1997),『イザヤ書』,岩波書店,東京.
  • 旧約聖書[並木浩一・勝村弘也訳] (2004),『ヨブ記・箴言』,岩波書店,東京.
  • 京極夏彦 (1999), 『文庫版・魍魎の匣』, 講談社.
  • George Lakoff (1987), Women, Fire, and Dangerous Things: What Categories Reviel about the Mind. The University of Chicago Press, Chicago.[ジョージ・レイコフ[池上嘉彦・川上誓作・辻幸夫・西村義樹・坪井栄治郎・梅原大輔・大森文子・岡田禎之 訳] 『認知意味論:言語から見た人間の心』(1993), 紀伊國屋書店, 東京]【認知】
  • H. J. Lam (1936), Phylogenetic symbols, past and present (being an apology for genealogical trees). Acta Biotheoretica, 2: 153-194【図像】
  • Henry S. Leonard and Nelson Goodman (1940), The Calculus of Individuals and Its Uses. The Journal of Symbolic Logic, 6(2): 45-55.【存在】【論理】※ポーランド学派のメレオロジーの理論体系を英語圏にもちこんだ元論文.
  • Wolf Lepenies (1976), Das Ende der Naturgeschichte: Wandel kultureller Selbstverständlichkeiten in den Wissenschaften des 18. und 19. Jahrhunderts. Carl Hanser Verlag, München.[ヴォルフ・レペニース(山村直資訳) (1992), 自然誌の終焉:18世紀と19世紀の諸科学における文化的自明概念の変遷.法政大学出版局,東京]【図像】【学史】※自然を記述する博物学が自らが蒐集したコレクションの重みに耐えかねて「重力崩壊」を引き起こしていった過程をたどる.歴史という視点はその救済策としてやってきたということだ.
  • Stanislaw Lesniewski (1916), Podstawy ogólnej teoryi mnogosci, I. Moscow.【存在】【論理】※「部分-全体関係」を論じるメレオロジーを最初に理論化した研究だという.
  • Carl von Linné (1735[初版]/ 1758[第10版]), Systema Naturae, sive regna tria naturae systematice proposita per classes, ordines, genera, & species. Theodorum Haak,Leyden.【学史】※記念碑的著作.最近ではインターネットを通じてこの著作の画像を間近に眺めることができる.
  • John Locke (1690), An Essay Concerning Human Understanding. 4 volumes. [ジョン・ロック(大槻春彦訳) 『人間知性論(全4冊)』(1974), 岩波書店,東京]
  • Arthur O. Lovejoy (1936), The Great Chain of Being : A Study of the History of an Idea. Harvard University Press, Cambridge[アーサー・O・ラヴジョイ(内藤健二訳)『存在の大いなる連鎖』(1975),晶文社,東京]【図像】【学史】※「存在の連鎖」という観念が時間化するという劇的な世界観の転換があった.ずいぶん前に読んだ本だがいまでも強い印象を私に残している.
  • Rolf Löther (1972a), Die Beherrschung der Mannigfaltigkeit: philosophische Grundlagen der Taxonomie. VEB Gustav Fischer Verlag, Jena.【シス】【学史】※本書は弁証法的唯物論の立場から生物分類学の基盤を論じたまれな本だった.「多様性を知り尽くす」ことが分類学の最終目標である.著者は分類体系の構築は厳密な系統的体系(ウィリ・ヘニックの意味での)であるべきだと言う.なぜなら,系統的体系のみが物質的システムとしての分類群(「種」を含む)の存立を解明できるから.原本は稀覯書中の稀覯書.四半世紀探しまわって最近やっと入手できた.
  • Rolf Löther (1972b), Biologie und Weltanschauung: Eine Einführung in philosophische Probleme der Biologie vom Standpunkt des dialektischen und historischen Materialismus. Urania-Verlag, Leipzig.【シス】※ロルフ・レーターの「システム論的種概念」はもともと当時の弁証法的唯物論の枠の中で論じられていた.「種」は実在する物質的システムであるという説は政治的にも正しい主張だったのだろう.グラハム・グリフィスがレーターの「システム論」を英語圏に輸入したとき,弁証法的唯物論の贅肉はきれいに除去されていた.
  • 丸田祥三 (1993), 『棄景:廃墟への旅』, 宝島社.[再刊:1997年,洋泉社]
  • 丸田祥三 (1995), 『棄景II:廃墟への旅』, 洋泉社.
  • Karl Marx (1852),Der achtzehnte Brumaire des Louis Bonaparte. [カール・マルクス(伊藤新一・北条元一訳)『ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日』(1979),岩波書店(岩波文庫)].
  • 松浦啓一 (2009),『動物分類学』,東京大学出版会,東京.
  • Ernst Mayr (1942), Systematics and the Origin of Species. Columbia University Press,New York.【種乱】※エルンスト・マイアーの「生物学的種概念」のルーツはここにある.
  • Ernst Mayr (1987), The species as category, taxon and population. Pp. 303-320 in: Histoire du concept d'espèce dans les sciences de la vie. Éditions de la Fondation Singer-Polignac, Paris.【種乱】※ニューギニア高地の調査旅行を回顧しつつ,マイアーは民俗分類と科学分類の結果が「種」レベルでみごとに対応づけられると力説している.しかし,同時代の民俗生物学者たちはそれを否定した.
  • Douglas Medin and Scott Atran (eds.) (1999), Folkbiology. The MIT Press, Massachusetts.【認知】
  • 三中信宏 (1997), 『生物系統学』, 東京大学出版会,東京.【学史】
  • 三中信宏 (1999a), ダーウィンとナチュラル・ヒストリー. 所収:長谷川眞理子・三中信宏・矢原徹一著『現代によみがえるダーウィン』. ダーウィン全集第1期別冊. 文一総合出版, 東京, pp.153-212.【認知】【種乱】※この原稿を準備したときはそうとう覚悟を決めて「種はない」と結論したつもりだったが,その後の私の言動に照らせばおとなしすぎたかもしれない.
  • 三中信宏 (1999b), ヒトが種をつくる−種問題のもう一つの根本的解決(1). 生物科学, 51(3): 129-136.【種乱】
  • 三中信宏 (2000), ヒトが種をつくる−種問題のもう一つの根本的解決(2). 生物科学, 51(4): 205-214.【種乱】※「ヒトが種をつくる」という総説記事はけっきょく完結することができなかった.本書『分類思考の世界』はそのリベンジにほかならない.
  • 三中信宏 (2005), Ernst Mayr と Willi Hennig:生物体系学論争をふたたび鳥瞰する.タクサ(日本動物分類学会和文誌), (19): 95-101.【種乱】【学史】
  • 三中信宏 (2006), 『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』, 講談社,東京.【生哲】【学史】
  • Brent D. Mishler (1999), Getting rid of species. Pp.307-315 in: Robert A. Wilson (ed.), Species: New Interdisciplinary Essays. The MIT Press, Massachusetts.【種乱】※「種よ,安らかに眠りたまえ(Species, RIP)」−すばらしいエンディングではないか!
  • 水木しげる (1999), 『妖鬼化・第4巻:日本編(四国・九州・沖縄)』, ソフトガレージ.
  • 森田竜義 (1976), 種概念の検討.Pp. 217-238 所収:佐藤七郎(編)『現代生物学の構図』,大月書店,東京.【シス】※大学に入学して割に初期にこの論文を読んだ.当時はそういうものかとわかったつもりになっていたが,今にして思えば“すごい”論文だったんだ…….
  • Vladimir Nabokov [Brian Boyd, Robert Michael Pyle and Dmitri Nabokov (eds.)] (2000), Nabokov's Butterflies: Unpublished and Uncollected Writings. Beacon Press,Boston.※昆虫学者としてのウラジーミル・ナボコフの研究論文などを集めた論文集.基本的に彼はヘニック流の分岐学(cladistics)に近い考えで,南米のシジミチョウ類を分類していたという.
  • 中尾佐助 (1990), 『分類の発想:思考のルールをつくる』, 朝日新聞社, 東京.【学史】※この本の成立の背景事情を調べたのはいい経験になった.本書の「インテルメッツォ」をごらんあれ.
  • 中尾佐助 (2005), 『中尾佐助著作集・第V巻:分類の発想』(金子務・平木康平・保田淑郎・山口裕文編), 北海道大学出版会, 札幌.【学史】
  • 中村禎里(1967),『ルイセンコ論争』,みすず書房,東京.[復刊(1997):中村禎里『日本のルイセンコ論争』,みすず書房]【学史】【シス】※失われた時代と喪われた世代について記録した貴重な情報源.
  • 中山康雄 (2009), 『現代唯名論の構築:歴史の哲学への応用』,春秋社,東京.
  • 西村三郎 (1999), 『文明の中の博物学:西欧と日本(上・下)』, 紀伊国屋書店,東京.【学史】
  • 野内良三 (1998),『レトリック辞典』,国書刊行会,東京.【修辞】
  • Brian W. Ogilvie (2006), The Science of Describing : Natural History in Renaissance Europe. The University of Chicago Press, Chicago.
  • 大阪府立大学総合情報センター(編) (1997), 『中尾佐助文献・資料総目:照葉樹林文化論の源流』, 大阪府立大学総合情報センター, 堺.
  • Robert J. O'Hara (1988), Homage to Clio, or, toward an historical philosophy for evolutionary biology. Systematic Zoology, 37: 142-155.【生哲】
  • Nelson Papavero and Jorge Llorente Bousquets (2007), Historia de la Biología Comparada, con Especial Referencia a la Biogeografía: del Génesis al Siglo de las Luces (Volumen I - VIII). Universidad Nacional Autónoma de México,Ciudad Universitaria.【学史】※比較生物学(生物体系学と生物地理学)の歴史を古代から現代までたどる.
  • Nelson Papavero and Jorge Llorente Bousquets (2008), Principia Taxonomica: Una Introducción a los Fundamentos Lógicos, Filosóficos y Metodológicos de las Escuelas de Taxonomía Biológica (Volumen I - IX). Universidad Nacional Autónoma de México,Ciudad Universitaria.【論理】【学史】※論理数学をふまえて体系学の公理化を試みた本.体系学の歴史を参照しながら,それぞれの時代ごとに分類体系の形式の特徴を論じている.
  • Nelson Papavero, Jorge Llorente Bousquets and Jair Minoro Abe (2001), Proposal of a new system of nomenclature for phylogenetic systematics. Arquivos de Zoologia (Museu de Zoologia da Universidade de São Paulo), 36(1): 1-145.【論理】
  • Georges Perec (1985), Penser/Classer. Hachette, Paris. [ジョルジュ・ペレック(阪上脩訳)『考える/分類する〈日常生活の社会学〉』(2000),法政大学出版局]
  • Karl R. Popper (1950), The Open Society and Its Enemies. Princeton University Press, Princeton.[カール・R・ポパー『開かれた社会とその敵』(1980),第1部「プラトンの呪文」(内田詔夫・小河原誠訳);第2部「予言の大潮:ヘーゲル,マルクスとその余波」(小河原誠・内田詔夫訳),未來社]【存在】※「本質主義(essentialism)」という言葉は本書で初めてこの世に出た.
  • Karl R. Popper (1968), The Logic of Scientific Discovery. Harper Torchbooks, New York[カール・R・ポパー(大内義一・森博訳)『科学的発見の論理(上・下)』(1971-2)恒星社厚生閣, 東京]※ヘニック・ソサエティの年次大会に参加すると,それこそ胡椒のように「ポパー」を振りかけられる経験が何度もあった.体系学者にとっての「ポパー」はそういう存在だった.
  • マルセル・プルースト(鈴木道彦訳) (2006),『失われた時を求めて1・第一篇:スワン家の方へ I 』, 集英社.
  • Marco Rainini (2006), Disegni dei tempi. Il «Liber Figurarum» e la teologia figurativa di Gioacchino da Fiore. Viella, Roma【図像】※ヨアヒム・フォン・フィオーレによる「歴史の樹」の図像学的研究.あやしいというかめくるめくというか,昔の「樹」のイメージは現在のそれとはだいぶちがっている.
  • Peter H. Raven, Brent Berlin, and Dennis E. Breedlove (1971), The origins of taxonomy. Science, 174: 1210-1213.【認知】※現代の生物分類学は認知的な民俗分類学の概念がそのまま温存されているので使い物にならないとはっきり断言してしまった論文.分類学が救済されるためには情報処理技術に全面的に依存せよという予言的主張で締めくくられている.「サイバーサイエンス」としての生物分類学の将来ビジョンはすでにこの時代に想定されていた.
  • Robert J. Richards (2002), The Romantic Conception of Life: Science and Philosophy in the Age of Goethe. The University of Chicago Press, Chicago.【学史】
  • Robert J. Richards (2008), The Tragic Sense of Life: Ernst Haeckel and the Struggle over Evolutionary Thought. The University of Chicago Press, Chicago.【学史】
  • Harriet Ritvo (1997). The Platypus and the Mermaid, and Other Figments of the Classifying Imagination. Harvard University Press,Cambridge.【学史】
  • Daniele Rosa (1918), Ologenesi: nuova teoria dell'evoluzione e della distribuzione geografica dei viventi. R. Bemporad & Figlio Editori, Firenze. [復刻(2001): Ologenesi. Giunti Gruppo Editoriale, Firenze]
  • Paolo Rossi (1960), Clavis universalis: Arti mnemoniche e logica combinatoria da Lullo e Leibniz. Riccardo Ricciardi, Milano.[パオロ・ロッシ(清瀬卓訳)『普遍の鍵』(1984),国書刊行会,東京]【学史】【存在】
  • 佐藤信夫(企画・構成)/佐々木健一(監修)/佐藤信夫・佐々木健一・松尾大(執筆)(2006),『レトリック事典』,大修館書店.【修辞】
  • 佐藤七郎(編)(1976)『現代生物学の構図』,大月書店,東京.
  • オリヴァー・サックス (2004),『オアハカ日誌:メキシコに広がるシダの楽園』,早川書房,東京.
  • K. M. Sawadski[К. М. Завадский] (1961), Учение о виде. Leningrad.[K・M・ザヴァツキー(高橋清・松岡広雄訳)『種の研究』(1981),たたら書房,米子]【シス】※ばりばりの弁証法的唯物論の立場で「種」を論じている.
  • Hermann Schadt (1982), Die Darstellungen der Arbores Consanguinitatis und der Arbores Affinitates : Bildschemata in juristischen Handschriften. Verlag Ernst Wasmuth,Tübingen.【図像】※中世のヨーロッパ社会の家系図を調べ尽くした図像学的研究.描かれた家系図をどのように読むのかという基本的な「家系図リテラシー」が身に付く.
  • Astrit Schmidt-Burkhardt (2005), Stammbäume der Kunst : Zur Genealogie der Avantgarde. Akademie Verlag,Berlin.【図像】※「芸術の系統樹」を収集した大著.芸術の派閥や芸風の派生関係はみごとな(アーティスティックな)系統樹として描き出される.
  • セオドア・サイダー(中山康雄監訳/小山虎・齋藤暢人・鈴木生郎訳)(2007)『四次元主義の哲学:持続と時間の存在論』,春秋社,東京.【存在】※「四次元ワーム」がここで増殖しています.
  • Peter Simons (1987), Parts: A Study in Ontology. Oxford University Press, Oxford.【存在】【論理】※メレオロジーの教科書.いくつかの公理を設定することで,古典的メレオロジーの体系を作れることがわかる.
  • George Gaylord Simpson (1961), Principles of Animal Taxonomy. Columbia University Press, New York. [G. G. シンプソン(白上謙一訳)『動物分類学の基礎』(1974)岩波書店, 東京]【学史】【種乱】※数学と哲学に通じていた古生物学者シンプソンは,多くの生物学者たちが論理式の洪水に溺死していた中で,ウッジャーやグレッグが推進した分類学の「公理化」を真っ正面から批判した数少ない論者だった.
  • V. B. Smocovitis (1996), Unifying Biology: The Evolutionary Synthesis and Evolutionary Biology. Princeton University Press, Princeton.
  • Elliott Sober (1980), Evolution, population thinking, and essentialism. Philosophy of Science, 47: 350-383.【本質】
  • Elliott Sober (2000), Philosophy of Biology, Second Edition. Westview Press, Boulder. [エリオット・ソーバー(松本俊吉・網谷祐一・森元良太訳)『進化論の射程:生物学の哲学入門』(2009),春秋社,東京]【生哲】※生物学哲学の基本テキスト.まだ,読んでないの? だめだめ.
  • Elliott Sober and David Sloan Wilson (1998), Unto Others : The Evolution and Psychology of Unselfish Behavior. Harvard University Press, Cambridge.
  • David N. Stamos (2003), The Species Problem: Biological Species, Ontology, and the Metaphysics of Biology. Lexington Books, Lanham.【種乱】【生哲】
  • David N. Stamos (2007), Darwin and the Nature of Species. State University of New York Press, New York.【種乱】【学史】※ステイマスの「種」本を眺めると,現在の生物学哲学の中で「種問題」がすっかり定着していることがうかがえる.ひょっとして「種問題」は解決されないままの方が「メシのタネ(種)」がなくならずにすむの?
  • ジェラール・ステア,ウィリー・グラサウア(河野万里子訳) (2002), 『カモノハシくんはどこ?:生きものの分類学入門』, 福音館書店.
  • Kim Sterelny and Paul E. Griffiths (1999), Sex and Death: An Introduction to Philosophy of Biology. University of Chicago Press, Chicago. [キム・ステレルニー,ポール・E・グリフィス著(太田紘史+大塚淳+田中泉吏+中尾央+西村正秀+藤川直也訳)『セックス・アンド・デス:生物学の哲学への招待』(2009),春秋社,東京]【生哲】※ピンク色の装丁とメインタイトルにやや尻込みしますが,まっとうな生物学哲学本.「種問題」は第9章で論じられている.
  • Ulrich Sucker (1978), Philosophische Probleme der Arttheorie. VEB Gustav Fischer Verlag, Jena.【シス】
  • 高橋睦郎 (1993), 隣接するもの. P. 10 in: 金子國義 (1993), パンフレット『メトニミー』,アスタルテ書房,京都.【修辞】
  • 徳田御稔 (1968),『二つの遺伝学[新装版]』(全3巻),理論社,東京.[第1巻:ルイセンコ学説・その世論と批判;第2巻:新しい生物学の歩み;第3巻:種論争の波紋](初版1952年)【シス】※いま読み直してみると,まさにアナザーワールドの感を強くする.
  • Patrick Tort (1989), La raison classificatoire : quinze études. Aubier, Paris.【学史】【修辞】※生物分類学の歴史は,メタファー(表面的類似性)とメトニミー(深層的類縁性)の間を揺れ動きつつ進んできたと論じる.初めて読んだときは何が書いてあるのかぜんぜん理解できなかったが,修辞学(レトリック)がこういう形で体系学と関わるとは意外だった.
  • 鳥山石燕(高田衛監修|稲田篤信・田中直日編)(1992),『画図百鬼夜行』, 国書刊行会.※座右の書.
  • 上村忠男 (2009)『現代イタリアの思想をよむ−増補新版 クリオの手鏡』,平凡社,東京.【存在】
  • Peter van Inwagen (1990), Material Beings. Cornell University Press, Ithaca.【存在】
  • 渡辺慧 (1978), 『認識とパタン』,岩波書店,東京.※「醜い家鴨の仔の定理」のもつ論理的正しさと分類的虚妄にそろそろ気づこうね.
  • Arthur Watson (1934), The Early Iconography of the Tree of Jesse. Oxford University Press, London.【図像】※キリスト教芸術における「エッサイの樹」を論じたほとんど唯一の本.
  • Sigrid Weigel (2006), Genea-Logik : Generation, Tradition und Evolution zwischen Kultur- und Naturwissenschaften. Wilhelm Fink Verlag, München.【図像】※系図・系譜を手がかりにして自然科学から人文科学までまたいでしまおうという.私はとても共感をもっている.
  • Johannes Werner (ed.), Franziska von Altenhausen: Ein Roman aus dem Leben eines berühmten Mannes in Briefen aus 1898/1903. Verlag bei Koehler & Amelang, Leipzig.
  • Quentin D. Wheeler (ed.) (2008), The New Taxonomy. CRC Press, Boca Raton.※ほんとうに生物分類学は「サイバーサイエンス」になってしまうんですか, ホィーラーさん?
  • William Whewell (1837 / 第3版:1857), History of the Inductive Sciences, from the Earliest to the Present Time. Three volumes, John W. Parker, London.
  • William Whewell (1840 / 第2版:1847), The Philosophy of the Inductive Sciences, Founded upon their History. Two volumes, John W. Parker, London.
  • A. N. Whitehead and B. Russell (1910-1913), Principia Mathematica. Cambridge University Press, Press.
  • David Wiggins (1967), Identity and Spatio-Temporal Continuity. Basil Blackwell, London.【存在】
  • David Wiggins (1980), Sameness and Substance. Basil Blackwell, London.【存在】
  • David Wiggins (2001), Sameness and Substance Renewed. Cambridge University Press, Cambridge.【存在】
  • Ernest H. Wilkins (1923), The Trees of the Genealogia Deorum of Boccaccio. The Caxton Club, Chicago.【図像】※この本は実物を手にできただけでも幸せだ.ハーフモロッコ装丁でしかも手漉き紙が使われている.すばらしい.内容は『デカメロン』を書いたボッカッチオが描いたという神話の神々の系統樹.彩色図版がまたすばらしい.
  • George C. Williams (1966), Adaptation and Natural Selection: A Critique of Some Current Evolutionary Thought. Princeton University Press, Princeton.
  • David M. Williams and Malte C. Ebach (2008), Foundations of Systematics and Biogeography. Springer-Verlag, New York.【学史】
  • Jack Wilson (1999), Biological Individuality: The Identity and Persistence of Living Entities. Cambridge University Press, Cambridge.【存在】
  • Mary P. Winsor (1991), Reading the Shape of Nature: Comparative Zoology at the Agassiz Museum. The University of Chicago Press, Chicago.【学史】
  • Mary P. Winsor (2000), Species, demes, and the omega taxonomy: Gilmour and The New Systematics, Biology and Philosophy, 15: 349-388.【種乱】【学史】
  • Mary P. Winsor (2003), Non-essentialist methods in pre-Darwinian taxonomy. Biology and Philosophy, 18: 387-400.【本質】
  • Mary P. Winsor (2006a), Linnaeus's biology was not essentialist. Annals of the Missouri Botanical Garden, 93: 2-7.【本質】
  • Mary P. Winsor (2006b), The creation of the essentialism story: An exercise in metahistory. History and Philosophy of the Life Sciences, 28: 149-174.【本質】【学史】※マリー・ウィンザーの最近の研究は「アンチ本質主義物語」に集中しているようだ.
  • Joseph Henry Woodger (1937), The Axiomatic Method in Biology. Cambridge University Press, Cambridge.【論理】※ジョゼフ・ヘンリー・ウッジャーは『プリンキピア・マセマティカ』の公理論的方法を生物学に適用しようとした.この本では,遺伝学と発生学の公理化を実行し,分類学についてはスケッチのみ.分類学の公理化はジョン・グレッグがあとを引き継いだ.ウッジャーとポーランド学派の論理学者たちとの交流,あるいはウッジャー自身のメレオロジー研究などおもしろそうな話題がいくつもありそうだが,誰か突っ込んでみませんか?
  • Joseph Henry Woodger (1952), From biology to mathematics. The British Journal for the Philosophy of Sciences, 3: 1-21.【論理】【種乱】
  • Joseph Henry Woodger (1961), Taxonomy and evolution. La Nuova Critica, Ser. 3, (12): 67-77.【論理】
  • 山田慶兒(編)(1995), 『東アジアの本草と博物学の世界(上・下)』思文閣出版,京都.【学史】
  • 山本光雄(訳編)(1958),『初期ギリシア哲学者断片集』,岩波書店.
  • 山内志朗(1992),『普遍論争:近代の源流としての』,哲学書房.[復刊:山内志朗(2008)『普遍論争:近代の源流としての』平凡社,東京.【存在】※中世のスコラ哲学における最大の形而上学論争は実念論対唯名論の間で闘わされた「普遍論争」だった.「種問題」にいったん首を突っ込んでしまえば,いつでもどこでも普遍論争だと私は感じている.
  • Frances A. Yates (1966), The Art of Memory. Routledge & Kegan Paul, London.[フランセス・A・イエイツ(玉村八州男訳)『記憶術』(1993),水声社,東京]【存在】【学史】
  • 横溝正史(1981),『犬神家の一族』.角川書店[角川文庫].
  • M. Zunino and M. S. Colomba (1997), Ordinando la natura: elementi di storia del pensiero sistematico in biologia. Medical Books, Palermo.【学史】

Last Modified: 31 March 2016 MINAKA Nobuhiro