静岡県付近の作物学上興味深い場所
静岡県とその周辺にあって,他には余り例がないようなものを紹介します.
茶関連
牧之原の大茶園は観光的には有名ですが,茶園そのものは全県に分布しています.
- 瀬戸ノ谷の大茶樹
静岡県では一番大きな木だと思います.現在,樹高4m、周囲30m位だそうです.
ネット上にも多くの情報がありますので検索してみて下さい.
紹介例
- やぶきたの原木
県立大学,県立図書館,県立美術館などがある地区の一角に植えられています.
ネット上にも多くの情報がありますので検索してみて下さい.
紹介例
- 瀬尻の段々茶園
九州などではトラクター利用を前提とした大規模なテラス式茶園があちこちにありますが,こちらは,手作業で管理するようなものです.
可搬型の機械類は使っています.浜松からだと長野県に向かう国道152号線沿いにありますが,駐車スペースがほとんど無いので,もう少し先の森林文化会館に止めるのが良いでしょう.
ネット上にも多くの情報がありますので検索してみて下さい.
紹介例(リンク先ページの中程に3枚写真があります.)
こういった段々茶園は安倍川流域にも見ることが出来ます.
更に奥の水窪では標高750mあたりまで茶園があります.かまぼこ形の畝ではなく,脳の襞のような畝のものは,ほぼ間違いなく在来種です.もちろん,山里なので,雑穀などの栽培もあるようです.
- 標高1000mの茶園(日本の最高標高の茶園)
瀬尻の茶園の先を更にどんどん進むと,水窪の町を抜け,長野県に入ります.県境は点線国道で有名な青崩峠ですが,ここは徒歩でしか通過出来なくて,実際には車はその東にある兵越峠を越えることになります.長野県に入り和田の町並みを通過し,更に先に進みながら下栗方面の案内標識を捜して,そこから下栗に入ります.日本の農村は,水田が前提なので,多くは平地や谷筋にあります.水田を諦めれば,山腹や山頂に集落を作るのは可能で,下栗もそういったものの一つです.国土地理院の地図では,桑園の記号が多くありますが,現在桑の木はほとんど見られなくて,茶の木や野菜,雑穀などが栽培されています.茶園としては,日本で一番高いところにあるものです.
ネット上にも多くの情報がありますので検索してみて下さい.
紹介例(リンク先のページの下の方の「耕地が、急峻を谷まで続く」というタイトルの写真が下栗の畑の風景で左上に茶の木も写っています.)
ジャガイモも比較的多く作られていて,二度芋と呼ばれ地元ではソバと並んで有名です.串焼きにして,エゴマ味噌,クルミ味噌,ユズ味噌などで食べることが多いようです.なお,下栗や和田の宿や食堂で下栗産の二度芋やソバ,鹿や熊肉料理を出すところがあります.
- 中井侍の茶園
上の紹介例に写真があったので,ついでに….
どうも,これらの写真は「農業写真」としては面白味に欠けるのが難点です.私の印象では,もっと茶園の面積は広いし,急峻です.そこを表現して欲しかったところです.車では中井侍には和田から出入りするのが良いと思います.中井侍から天竜川沿いに水窪,浜松方面に抜けることは出来ますが,水窪までがとんでもなくひどい道です.酷道,険道マニアの方には良いかも知れません.ダンプも通っていますが,時速20Km位しか出せないような場所も多いです.水窪浜松間は普通の道で,上記で紹介した,瀬尻があります.飯田線も通っているので,JR利用で訪問可能です.中井侍駅は秘境駅マニアには有名のようです.なお,このあたりでは,対岸の愛知県側も含め,餅菓子ではない昔風の「ゆべし」が作られています.
wikiの当該項(珍味のゆべし)
ついでながら,このあたり,南信濃の南端,東三河の東北端,遠州の北端は文化的歴史的に繋がりが深く,似通った中世的な風習(霜月神事,親方被官制,入り混じり村等)が近年まで強く残ってきた場所です.三遠南信とも言われています.
- 玉露の里
静岡県の大部分の茶産地では,煎茶を生産しています.一部に紅茶や釜炒茶,かぶせ茶などを作っている方もあります.岡部町では,玉露をかなり作っていて,道の駅を兼ねた紹介施設として「玉露の里」があります.公園風に整備されていて,実際に飲むことも出来ます.
玉露の里
- お茶の郷
島田市立の茶に関する博物館です.
お茶の郷
金谷駅から路線バスがありますが,本数は少ないです.金谷駅から歩いても20分はかからないと思います.途中に,旧東海道の石畳やその傍らに建つ「石畳茶屋」,中国から茶の種を持ち帰って茶を広めた栄西禅師の大きな像やカタクリの自生地がある牧の原公園などを見ることが出来ます.公園からの景色はよいです.
ここの,1Km南には国の茶の研究所があります.現在の正式名称は,「独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 金谷茶業研究拠点」です.但し,この場所では野菜の研究はしていません.
金谷茶業研究拠点
更に,その3Km南には県の茶の研究所があります.こちらの正式名称は「静岡県農林技術研究所 茶業研究センター」です.
茶業研究センター
紛らわしいので,地元では,国茶,県茶と呼んでいます.
JR金谷駅発バス時刻表
最寄りのバス停の名称は,お茶の郷が「二軒家原お茶の郷」,国茶は「野菜茶業研究所」,県茶は「茶業研究センター」です.静岡空港から,これらの施設は何れも数Kmのところにありますが,路線バスは通っていません.別の路線バスで一旦島田駅に出てJRで金谷駅まで来るか,タクシーか徒歩でということになります.
- 一戸集落
静岡の山の中を走っていると,森がいきなり開けて,一面の茶畑になるという経験をよくします.茶畑だけということもありますが,農家が1軒だけあるとか,茶工場も一緒にあるとか,ということも珍しくありません.限界集落という言葉がありますが,自発的に山の中で一戸で営農というパターンです.さすがに老齢の方が多くなってきてはいますが,若い人もいます.安倍川水系から大井川水系に抜ける道では特に多いように思います.これまで,茶業が農業の中では経営的に比較的有利だったことも原因でしょう.電気も電話も道路も整備されていて,車さえあれば町まで一時間以内にたどり着けるというのも,こういった選択を可能にしている理由だと思います.
- 学校茶園
茶園を持っている学校はあちこちにあります.ネット検索で引っ掛かったところをいくつか紹介します.
ワサビ他
静岡県の特産といえば,茶やミカン,メロンが有名ですが,ワサビも落とすことが出来ません.私は以前ワサビの育種やメリクロンもやっていたのですが,その頃知った余り知られていない話を紹介します.ワサビのおひたし:ワサビの若葉や花茎を普通におひたしにすると,ほろ苦い春の風味になりますが,80℃の湯で湯がいて,水を切り,容器に入れて冷蔵庫に一日放置すると,かなり強烈な辛みが出ます.これを,酢醤油やだし汁で好みの味を付けます.地方的にあちこちで作られていますが,残念ながら全国的に知られている食品にはなっていません.おろしがね:鮫革のおろし金でおろすと,味,香り,舌触り,外見とも何段階もアップします.ワサビの産地の売店などで入手出来ますので,お試しあれ.
- 有東木のワサビ
ワサビ栽培発祥の地とされています.産地としては伊豆の方が有名ですが,伊豆のワサビは有東木から導入したものだそうです.また,ワサビの他に茶も栽培されています.静岡市内ですが,ちょっと,遠い.路線バスはあります.
有東木のワサビの紹介
有東木のワサビ農家
静岡駅発路線バス時刻表
- 伊豆のワサビ
生産規模は,安倍川流域とは比べものになりません.情報も極めて多いので,省略します.
JA伊豆の国のワサビの紹介
研究組織としては,伊豆の国市湯ヶ島に静岡県農林技術研究所 伊豆農業研究センター わさび研究拠点があります.
- 御殿場のワサビ
三番目の産地として御殿場を紹介します.これらの他にも,大井川流域や,天竜川流域にも栽培があります.
JA御殿場のワサビ
御殿場わさびの郷
- 水掛菜
おおざっぱな説明では,カブと小松菜の中間みたいで丈は余り高くないなっぱ.畦間に水を流しながら栽培します.冬から春にかけて収穫.御殿場から富士吉田にかけて栽培されています.収穫期以外でも,この地区の店で漬物が購入出来るでしょう.
水掛菜
水掛菜
- 富士吉田のうどん
上の水掛菜で富士吉田と書いて思い出しました.他の地域の人にはほとんど知られていませんが,富士吉田はうどんの町です.讃岐にちょっと雰囲気が似ています.普通の民家の座敷に低い長机が並べてあるというような店がけっこうあります.普通の食堂スタイルの所もあります.人口五万人位の町にこういったうどん屋が100軒?あるらしい.特徴は麺が固め,キャベツの湯がいたものがのっている,ごま油で練った七味風(配合は店により違う)の唐辛子が置いてある.
私の見解とは異なるところもありますが,良い紹介例を見つけました.甲州の麺と言えばほうとうの方が知名度ははるかに高いですね.もちろん,富士吉田でもほうとうは食べることが出来ます.
- 富士宮の焼きそば
全国的に有名になってしまったので省略.
やきそば学会
- 浜納豆
中国の豆鼓(トウチ)みたいなもの.浜松市付近なら普通にスーパーや食料品店で購入出来ます.それ以外だと静岡県内なら,比較的大きな店を探せば購入出来ると思います.
wikiの当該項(塩辛納豆(寺納豆))
- 静岡の日本酒
こちらは余り知られていない話.静岡県が名酒の一大産地であることは,余り知られていないと思います.名酒の原動力は残念ながら米ではなくて酵母です.
静岡酵母マニアックス
静岡県酒造組合
正面玄関(トップページ)
現行版:2009年7月31日
初 版:2009年7月21日
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