1.場所および時期
場所:ICRISAT(国際半乾燥熱帯作物研究所)
時期:1996年11月17日〜12月15日
ICRISATはインドのアンドラプラデッシュ州のハイデラバード(ガイドブックではハイダラーバード)のそばにあります。
ここはインド中央部のデカン高原の東端に位置し,雨季(春から夏)と乾季(冬)のはっきりした所です。
行った時は,乾季の始まったところで,天気はほとんど晴れでした。
ハイデラバード
市内の高級住宅地候補地
2.ながめ
デカン高原1
草地には草の量に応じて家畜を放牧します。
デカン高原2
上空から
上空から見ると,畑地は川の周辺とは限らないことがわかります。
ムンバイ(旧名ボンベイ)郊外
3.放牧
放牧は,毎日草の多い野草地を探して牛やヤギを連れていくようです。家畜は牧童から遠くに離れませんので牧柵はありません。 水飲み場によって家畜の行動が規制され,川や井戸の周辺では土壌浸食が発生しているところがありました。
ヤギの放牧
4.研究内容
(1)背景
人間活動に伴う土地利用の変動の際には,その土地本来の生産力以上のものを栽培すると土地資源が貧化し,
環境保全能力が低下する。
このため,今後の農地開発においては,それぞれの地域の潜在生産力に応じた適切な土地利用をはかる必要がある。
一方,半乾燥地帯では,土地利用と潜在生産力の間の関係を客観的に捉えて実態を把握する手法が確立されていないため,
土地資源の評価や,土地利用変動に伴う環境インパクトの評価が困難となっている。
そこで,正確な実態の把握及び生産力の経年変動を把握し,土地劣化を評価するための基礎資料を整備する必要がある。
(2)方法と結果
ここでの生産力を規定する第1の気候要因は降水量で,適度な土壌水分の持続が生産性に反映される。
1.土地生産性の評価
生産力を評価する指標として,人工衛星リモートセンシングデータから算出される植生指数を用いた。
1994年度の植生指数
低 ← 黒 橙 黄 緑 → 高
期間を通じて生産力が高い地帯(緑)は,水系付近及び西部を中心とする黒色土壌地帯にある。 これを1992年度と1994年度について求めて比較すると,年次変動の大きい地点は赤色土壌地帯の溜め池周辺に多く分布していた。 これはこの地帯の水分状態の不安定性を示すものであり,水管理の必要性を示唆するものである。
2.土地利用変動と生産性
土地利用が既知の数地点について,1992年〜1994年度の植生指数の季節変動を経時的に調べた(下図)。

植生指数は直線的に減少するが始点と終点の値は土地利用によって異なる。また,年次変動は少ない。 土地資源の劣化は,大きく見れば,生産力の高い農地から,野草地,岩石地への変化とみなされる。 土地利用を大きく3つ(1)市街地・水域・岩石地,(2)農地,(3)野草地に分類し, 1992年度と1994年度の土地利用の変動を検討した(下図)。
橙:農地→草地,緑:草地→農地
農地から草地に変化した地点は全体に広がっているが,赤色土壌地帯(東部)に多い。
草地から農地に変化した地点は西部から流出した黒色土壌の沖積地帯(中央部)に多い。
5.謝辞
最後になりましたが,内田 諭さんには,一番お世話になりました。
その次にお世話になったのは,内田さんの奥さんで,その次にお世話になったのは,中野 寛さんでした。
ほかにもお世話になった人がたくさんいます。みなさまに御礼申し上げます。