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近赤外分光法を利用し、果実断面の糖度分布の可視化手法を開発
全国の選果場では、桃やリンゴ、メロンなどの糖度を光で測定する技術が普及しています。 この測定に使われているのが、近赤外線です。 しかし、この近赤外線を利用して、糖度を測り、甘いと判別しても実際に食べてみたらあまり甘くないと感じることがあります。 これは、測る場所によって糖度のバラツキがあるためであると言われています。
 そこで、この研究では、メロンを試料にし、冷却CCDカメラを使って検査物の2次元、3次元分光画像を取得し、その吸光度から各ピクセル毎に近赤外分光法に基づいて糖度を求め、糖の分布を可視化しました。


 
まず、実験を始めるにあたり、糖度との相関の強い波長を決めるための予備試験を行いました。

 始めに、メロンの赤道部を円柱状に切り出し、内側果肉表面の相互拡散スペクトルを近赤外分光装置で測り、その後、測定した部分を暑さ2mm程に切り取り、果汁を絞ってデジタル糖度計でBrix糖度を測定しました。 この方法を果肉の内側から外側に向けて測定を繰り返していくと、アンデスメロン、アールスメロンのいずれにおいても、676nmで最大の逆相関をとることが分かりました。
 これは、クロロフィルの吸収帯にほぼ一致し、少ない所ほど糖度が高いことが明らかになりました。


上記の予備実験をふまえて、分光画像を撮影し、糖度分布を可視化

 冷却CCDカメラの温度をマイナス15度に設定し、未熟果、適熟果、完熟果のメロンの半割断面を676nmで分光画像を撮影しました。 また、予備実験と同様に、撮影したメロンをくり抜き、そのくり抜いた部分を冷却CCDカメラで半割面と同じように撮影し、その後、2mm厚にスライスして糖度を測りました。 この作業を果皮まで繰り返していき、平均吸光度を求め、それぞれの糖度との単相関を見てみると、下にある1番上の図のようになりました。 
 この実験により、画像光学系においても、吸光度と糖度は高い相関関係が再現され、吸光度から糖度を推定する式をメロンの個体毎に得られることが分かりました。








これらの実験により得た各画素ごとの糖度の値をリニアカラースケールを用いてカラーマッピングを施し、糖度分布を可視化しました。(左、上から2番目の図:左から未熟果、適熟果、完熟果。 上段から水平断面、垂直断面、実画像。)
 実画像を見た感じでは、違いはたいして分かりませんが、可視化した画像からは、糖度が増しているのが分かります。(赤みを帯びているところが糖度の高い部分です。)
 これに加え、果実内の場所によって糖度が均等に分布していないことも見てとれ、底部よりも頭部の方が糖度が高いことも明らかになりました。

 
つぎに、糖度分布を3次元で見るため、スライス画像を取得するための装置を開発し、この装置で18枚の画像を撮影しました。
 そのうちの16枚(メロンの半分に当たる)を使用して糖度分布を可視化し、ボリュームレンダリングで3次元画像を構築しました。 これにより、立体的に糖度分布を見ることが出来るようになりました。(左、1番下の図)

 近年は、この3次元可視化手法を応用し、

 ・大豆の内部構造の可視化
 ・染色した種籾の維管束、種籾内の成分分布
  の可視化
 ・製パン行程における最適ミキシング状態の可視化

などの実験を行いました。 これらの実験から食品の機能性成分を見るなど、さらなる応用展開をされることが期待されています。



         分光関連の論文は